WGGの活動log

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Windows TerminalでWindowsのCLI環境はどう変わる? 既存のサードパーティ製ターミナルソフトとの違い

2019年5月7日(日本時間),Microsoftから Windows Terminal が発表されました

www.youtube.com


これまでWindows標準で使用できるシェルは,コマンドプロンプトPowerShell, WSLがあり,CLI環境としてコマンドプロンプト(cmd.exe)なんかが用意されていました.
この3種のシェルを全て統括して Windows Terminal という1つのソフトで扱えるようになるようです (これまでも実質できてはいた)

github.com

Windows Terminal の特徴

MicrosoftからアナウンスされているWindows Terminalの特徴を上げてみます.

大体これぐらいの機能が言われていたのですが,これらについて現在標準のターミナルや,サードパーティ製のターミナルソフトと比較してみようと思います.
サードパーティ製のターミナルは,自分が使ってたのは大体↓の感じです.

  • cmder
    • かなり有名.日本語の記事多め
  • Hyper
    • Electron製のターミナル.Windowsだと少々不安定なところがある(気がする)
  • extraterm
    • これもElectron. 自分で使ってみた限りだと,起動は遅いけどパフォーマンスは凄く良い印象だった
  • FluentTerminal
    • UWP製.Windowsとの親和性は高そうだけど現状まだ不安定なところも多い(今後に期待?)

cmd / PowerShell / WSL が全て扱える

これは特に言うことないと思います.大体どれでもできるので

タブ機能がある

寧ろ無いほうが少ないような...
タブ使えないのはこれまでのWindows標準のターミナルぐらいだと思います
WSLだとtmuxとか色々選択肢があるので,ターミナルソフト側にタブ機能が無くてもなんとかなるかもしれないですが,まぁあった方が便利でしょう
Hyperなんかは,タブ機能だけじゃなく1つのウィンドウで左右に画面を分割したりもできます

SSH機能搭載

これ無くても割となんとかなる機能です
今のWindowsでは標準でsshコマンドが使用できるので
Termius みたいにssh用のオプションとかが用意されてたら楽で良いと思います

テーマが変えられる

これも大抵のターミナルソフトはできるはずで,特にテーマ用の設定ファイルをシェアし合ったりってのもよくあると思います.
既存のWin標準のターミナルは1色ずつ変えないといけなかったような...

拡張機能が導入できる

ちょっとまだ原文がそこまでしっかり読めていないんですが,これは凄く良いんじゃないかと思います.
cmderとかHyper拡張機能は作れるんですが(HyperはWindows非対応の拡張が多い...),Microsoftが公式でこういう事をすることで,VSCodeみたいに活発になっていくんじゃないかと思います.

GPUレンダリングで描画が高速

Windows環境でこれを実現しているターミナルは無かった気がします(調査漏れだったらすみません)
alacritty というソフトは Mac / LinuxGPUレンダリングに対応しており,今後Windowsにも対応予定だったはずです.
なのでこのWindows Terminalが出れば,表示速度などの問題はかなり改善される可能性があるのではないかと思ってます.
github.com

ちょっとした懸念点

これまで色々なターミナルソフトを試してことがあるのですが,性能が良くても機能面で少し不満が出たことがあります.
↓のような問題によく遭遇したので, Windows Terminal がこれをどれだけ解消できているか気になります

  • 256色サポートしていない
  • 日本語表示が崩れる
  • 日本語入力できない
  • WSLで色々おかしくなる

WSL関連はちょうどWSL2も発表されたのでまだわからないですが,他の点は結構できていないターミナルソフトも多いです.

感想

個人的には,かなり期待しています.
これまでサードパーティ製のターミナルソフトを色々模索してきたのですが,「これが完璧!」と言えるものが無かったのでもしかするとそれらに変わる素晴らしいソフトがMS標準で出るのかなーと期待しています.